2015.09.
いわゆる月見草 マツヨイグサ他 (アカバナ科
マッサージオイルなど

■ マツヨイグサの仲間は、宵待草(よいまちぐさ)といわれたり、月見草といわれたりします。 「宵待草」は、竹久夢二が作詞のときにマツヨイグサと間違えたことが始まりです。訂正しようとしたそうですが、宵待草の方が雰囲気があって良いということで、そのままにされたといわれます。 もう一つの「月見草」は、黄色い花を咲かせるマツヨイグサ属の数種を指す通称です。暗くなってから開花し、翌日、陽が高くなる頃にはしぼんでしまいます。 ( ※1 ツキミソウという名前の植物もあります。)

マツヨイグサ属の花弁は4枚あって、雄しべは8本、葯はT字形につきます。めしべは1本で、先端が4裂し、十字の形になるのが特徴です。茎や果実は、毛を密生し、果実はさく果です。 この属は全てアメリカ大陸の原産で、日本には十数種が帰化しています。 属名 Oenothera は、oinos 酒 + ther 野獣 から。根にブドウ酒の香りがあって、野獣が好むとしてつけられたとされます。

■ マツヨイグサは、河原や荒れ地などに生育する二年草、草丈は80cmほどになります。 日本へは江戸時代の末に入ってきましたが、近年は同属のメマツヨイグサに押されてあまり見なくなりました。葉は披針形で互生、葉の中央脈は白色です。 花期は6〜8月、 花径4cm前後で、しぼむと橙色に変色します。種子は不規則は角柱状ですが、角は丸みがあります。種小名 stricta は、strictus 直立の、硬い の意味。

オオマツヨイグサは、ヨーロッパで作り出された園芸品種で、径8cmほどの大きな花をつけます。 太宰 治が「富嶽百景」の中で「 富士には、月見草がよく似合ふ。」と書いているのは、このオオマツヨイグサかマツヨイグサではないかと見られています。 高さは150cm位になる大型の二年草で、葉は互生、葉身は長楕円形で、葉縁には疎らな鋸歯があります。 花期は6〜9月、 花はしぼんでも変色せず、種子は角柱形です。明治初期に入り、その後、野生化しましたが、マツヨイグサ同様に、見かけなくなりました。 種小名 erythrosepala は、erythro 赤い + sepala ガク片の という意味です。
マツヨイグサ Oenothera stricta Ledeb.
オオマツヨイグサ Oenothera erythrosepala Borb
メマツヨイグサは北アメリカ原産の二年草で、日本へは明治後期に入り野生化しました。 道端や河原などで育ち、茎は直立し、草丈は130cm程度になるので、オオマツヨイグサより小型ですが目立ちます。葉は互生、披針形で浅い鋸歯があり、中央脈が赤くなる傾向があります。 花期は6〜9月、 花径は2〜5cm、夕方から咲き、花はしぼむと、黄色か僅かに赤変します。種子は角柱形です。
種小名 biennis は、越年生の、二年生の の意味。 花弁に隙間のあるものを、アレチマツヨイグサ荒地待宵草 Oenothera parviflora L.といいます。隙間にはメマツヨイグサと連続した中間形もあり、別種とするかどうかも含めて、区別は難しいようです。
メマツヨイグサ Oenothera biennis L.

■ マツヨイグサ、メマツヨイグサの種からは、油脂(月見草オイル)が採れます。 γリノレン酸やリノール酸などを含み、マッサージオイルやサプリメントなどで人気がありますが、酸化しやすいため、長期の保存に向かないという問題もあります。 そのため、変質しないようにカプセル封入するなど加工して利用されています。


ツキミソウ
※1

本来のツキミソウという和名の植物は、同じ属で、高さ30〜50cmになる二年草です。 葉は互生し、披針形で不規則に羽状浅中裂します。花期は6〜9月、葉脇に花径4cmほどの白い花をつけます。 いわゆる月見草の黄色に対して、ツキミソウは、雌しべ、雄しべも白く、花糸や花柱の基部付近は淡緑色を帯びます。 花は夕方に開花し、暗くなると大きく平開し、朝には萎んで淡紅色に変色します。日が高くなるころには、さらに色が濃くなり赤紫色になります。
種小名 tetraptera は、四翼の。
ツキミソウ Oenothera tetraptera Cav.
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