2015.10.
ウメ バラ科
烏梅 ウバイ ) [ 局外 ] 漢方薬・食品

■  早春に咲くウメは、中国原産の落葉小高木で、古い時代に日本に渡来した ※1 とみられています。 果実を薬や食料として利用するだけでなく、万葉集に多くの歌があるように、花は観賞の対象にもされました。白色や赤系統、一重や八重など多くの品種があり、梅の名所は観梅の人々で賑わいます。

花期は2〜3月ごろ、葉の展開前に、芳香のあるほとんど無柄の花を開きます。普通は白色で、花弁は5、雄しべは多数あり、赤いガクがアクセントになります。 葉は互生し、葉身は倒卵形から楕円形で先尖、葉縁には細かい鋸歯があります。果実は球形に近く、片側に縦に浅い溝があり、短毛に被われます。

※1 稲と同時に渡来したとする説、遣唐使が持ち帰ったとする説があります。

■ ウメの未熟な果実(青梅)には、青酸配糖体のアミグダリンが含まれ、 特に核果のなかの種子(仁)に多く含まれます。 そのため、生のままでは食用にできず、梅干や梅酒などの加工食品として利用されています。 薬用には、梅の未熟な果実を燻製にしたものを使用します。烏(からす)のように黒いとして、生薬名を烏梅(うばい)といい、健胃、鎮咳、去痰、止寫(下痢止め)などに用いられました。 他にも烏梅は、ベニバナの染色の媒染剤として利用されたこともあります。

和名の由来には諸説あり、漢名の 梅 (mei、マイまたはメイ)が伝わり、ムメと呼ばれたとする説、初めに入ったのは生薬で、その名の烏梅 (wumei)が転訛したとする説、熟む実からの転訛説があります。 種小名 mume は、江戸時代の呼称 ムメ から。属名 Armeniaca ※2 は、アルメニアの。

※2 APG分類では Prunus 属の見直しがされました。 Prunus は本来の意味のスモモ属に、ヤマザクラなどのサクラ属は Cerasus に、ウメはアンズ属 Armeniaca に、モモやアーモンドはモモ属 Amygdalus に再分類されています。 なお、アンズそのものは、アルメニア原産ではなく、旧学名の Prunus armeniaca (アルメニアのスモモ)は思い違いによりつけられたものです。
 ウメ Armeniaca mume (Sieb.et Zucc.) de Vriese  旧Prunus mume Sieb.et Zucc.
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