2015.10.
サンザシ / オオミサンザシ バラ科
山査子 サンザシ) [ 局 ] 漢方薬

■ サンザシ 山査子  Crataegus cuneata Sieb.et Zucc.は、中国原産とみられる落葉低木で、日本には江戸時代に薬用として移入されました。 葉は互生、葉身は倒卵形で、上部で浅く 3〜5裂します。葉縁には粗い鋸歯があり、葉腋には刺がつきます。
花期は4〜5月で、若い葉の展開とともに、散房花序に白い5弁花をつけます。 花弁は円形で、縁には不規則な小突起による凹凸があります。 ガク片は明るい緑色で5個、めしべは4〜6本、おしべは20本程度あり、葯は開花直後の淡紅色から、後に黒色になります。 果実(偽果)は、長い果柄の先につき、直径15mm程度の球形で、頭頂部にはガク片が宿存します。初め緑色から、9〜10月に熟し、暗赤色や黄褐色になります。

サンザシは、 査子(クサボケの実のことで、査は正しくは木へんに査) に似て、山にあるので山査子といい、和名は、この中国名の音読みから。 属名 Crataegus は、力を持つ という言葉からなり、材質が堅いことからつけられたとされます。種小名 cuneata は、クサビ形の。
資料画像 サンザシ の近縁種 Crataegus sp

■ オオサンザシの変種 オオミサンザシ 大実山査子 は、サンザシより大きく、樹高6〜7m前後になる落葉高木です。 葉は互生で葉柄があり、葉縁には鋸歯があり、羽状のように3〜4回浅中裂します。裂片の多くは非相称です。
花の形状は、サンザシに類似しますが、茎頂の花数は、オオミサンザシの方が多くなります。果実(偽果)は長い柄の先につき、20〜25mm前後と大きく、頭頂部にはガク片の基部が残存します。 果皮は暗赤色で、一面に褐色の小さな斑点があり、サンザシの滑らか表面とは異なります。 もともと中国の山査子という生薬名は、サンザシではなく本種の偽果を指していたとされます。

和名は果実が大きいことから大実(オオミ)。種小名 pinnatifida は、羽状中裂の。変種名 major は、巨大な、より大きい の意味です。

■ 日本薬局方では、サンザシオオミサンザシ の2種を基原植物にしていて、 偽果を乾燥したものが、生薬サンザシになります。ビタミンCなどを含み、収斂の作用があって、消化薬の補助や止瀉などを目的として漢方処方に配合されます。 中国ではよく利用され、食用にドライフルーツに加工したり、砂糖漬けの菓子として、また料理や果実酒の材料などに使われています。 その他には、果実を観賞する庭木や盆栽としても利用されています。
 オオミサンザシ Crataegus pinnatifida Bunge var.major N.E.Brown

参考

セイヨウサンザシ Crataegus laevigata (Poir.) DC.は、ヨーロッパからアフリカ北部にある落葉高木です。 ヨーロッパでは、サンザシ属は、昔から春の花木として栽培され、品種も創出されています。果実は直径10mmほど。 心臓によいハーブとして、葉・花・果実(偽果)が利用されてきました。近年、葉と花のエキスは、一部の軽度の心疾患に対して、効果があるという評価もされています。
種小名 laevigata は、無毛の、平滑な、磨(みが)いた の意味です。
資料画像 セイヨウサンザシ の近縁種  Crataegus sp
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