2015.09.
オウレン キンポウゲ科
黄連 オウレン ) [ 局 ] 漢方薬

■  生薬のオウレン Coptis japonica Makino は、漢方の普及にともなう生薬の需要増をまかなうために、国産の代用生薬として開発されました。 薬用部位の根茎は、ベルベリンを含み強い苦味があります。根茎の節が黄色の珠を連ねたようになるところから「黄連」の中国名があり、和名はその音からつけられました。 強い抗菌作用、抗炎症、血圧降下、止瀉、緩下、止血などの作用があります。 漢方薬では、オウゴン ( コガネバナ ) と組合された処方が多く見受けられます。
オウレンは日本の固有種で、葉の切れ込みによって、3つの変種に分類されています。 薬用としては、セリバオウレンが栽培が簡易であるため、最も良く利用され、次いでキクバオウレン が利用されています。 コセリバオウレンは、薬用部位の根茎が太くならないため、薬用利用には不向きとされています。
■ 3種は、分布地域で林床に自生しています。全体に無毛で、早春に暗紫色の花茎を立ち上げ、茎頂付近で分枝して2〜3輪の白い花を咲かせます。 先が尖った花弁様のものはガク片にあたり、5〜6枚つき、普通は白色で、淡い赤紫色を帯びることもあります。 本来の花弁は、ガク片の半分ほどの大きさで、白色のへら状、やや厚みがあり、10〜12枚あります。
花には雄性花(雄花)と両性花があり、雄性花には多数の雄しべがつきます。両性花には暗紫色の多数の雌しべ(8〜12本程度)があって、雄しべは10本前後と雄性花より少なくなります。

果実は袋果になり、心皮がひとつづつが分離して輪生します。普通、袋果は熟した果皮が裂けて種子を放出しますが、オウレンの袋果は先端の隙間が開いたままになっています。 裸子植物の面影を残した、進化の過程の姿をとどめている原始的な被子植物とみられています。

---- 以上は、3種共通 ----
オウレンの葉は、3出複葉が基準になる根生葉で長い葉柄があります。キクバオウレン(狭義のオウレン)は、1回3出複葉で、小葉は大きく3裂します。 3種の中では大型になり、主に本州の日本海側に分布し、薄暗い針葉樹の林床でも栽培できる耐陰性があります。
キクバオウレン 菊葉黄連
Coptis japonica Makino var.japonica Satake

キクバオウレン セリバオウレン コセリバオウレン
■ セリバオウレン 芹葉黄連は、2回3出複葉で、小葉が細かく裂け、セリに似るところからの和名です。 本州から四国の太平洋側と日本海側にも分布する多年草で、高さは15〜20cmほどになります。他の2種と同様に、葉の質は厚く、葉面には光沢があり、冬も残ります。
コセリバオウレン 小芹葉黄連は、3回3出複葉で、本州の太平洋側に分布します。3種の中では最も小型で、高さ15cm程度にとどまります。

属名 Coptis は、coptein 切る、切り刻む から派生したもので、葉が切れている様子を表わしたとされます。 種小名 japonica は、日本の、日本産の。 セリバオウレンの変種名 dissecta は、多裂した、全裂した。コセリバオウレンの変種名 major は、巨大な、より大きいの意味です。
セリバオウレン 芹葉黄連
Coptis japonica var.dissecta Naka
コセリバオウレン 小芹葉黄連
Coptis japonica Makino var.major Satake
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