2015.09.
オオバコ   オオバコ科
車前草 シャゼンソウ ) [ 局 ] 漢方薬

■ 日本に野生する数種類のオオバコ属の中で、オオバコ大葉子は最も普通に見ることができます。 アジアに広く分布し、種子は水分を含むと粘りがでて、踏みつけた人の靴や車などについて広がります。山奥では見られず、人の生活圏が、そのままオオバコの生息範囲になります。 身近な存在の証ともいえる地方名は、オンバコ、カエルッパ、スモトリグサなど、多数あります。

葉は根生して放射状に広がり、大葉子の名前の通り、葉身は大きく広卵形で、やや平行する葉脈が目立ちます。 花期は4〜8月、葉の間から、高さ10〜20cm程の花茎を何本も立ち上げ、小花を穂状につけます。花は雌性先熟の風媒花で、初めに白い雌しべをのばします。 雄性期には、雄しべを4本出し、長い花糸に白い葯をつけ、下方から順に咲きあがります。果実は蓋果(がいか)※1で、中には4個程度の種子が入ります。

■ オオバコの生薬名は車前草で、花期の全草が薬用になり、緩下、利尿、去痰に効果があります。 また、種子を車前子 シャゼンシ として同様に利用し、漢方処方や医薬品に配合されます。生薬名の由来は、車の轍(わだち)に沿って生えることから。 属名 Plantago は、大きな葉を、planta 足跡、足の裏 に例えたとみられます。種小名 asiatica は、アジアの、アジア産 の意味です。

日本のオオバコの基原は、セイヨウオオバコとアジアの未知の種との交雑種との研究結果※2が発表されています。 見分けがつきにくいとされていたのは、出自からすれば、当たり前のことだったようです。

※1 成熟すると果皮が横に裂けて、先が蓋(ふた)のように取れ、基部がわん状に残る果実のこと。
※2 「オオバコの仲間は雑種だらけ」 基礎生物学研究所プレスリリース 2009年9月1日発表
 オオバコ Plantago asiatica L. 花茎の画像、上部は雌性期、下部は雄性期

2015.09.
ヘラオオバコ   オオバコ科
■ 河原や荒れ地で見かけるヘラオオバコは、ヨーロッパ原産の帰化植物です。 日本薬局方には、収載されていませんが、ヨーロッパでは、薬用の他に、家畜用の飼料にもされています。江戸時代に入ってきたとみられ、外来生物法では要注意外来生物に指定されています。

ヘラオオバコの葉は、放射状に根生して、葉身はへら形から細長い楕円形で直立ないし斜上します。 全体的に短毛がある個体が多く、花茎は オオバコに比べて高く、30〜70cmほどになります。 穂状花序は5cmほどと短く、雌しべは淡黄白色から淡い暗紫色をして、雄しべは長い花糸の先に淡黄白色の葯をつけます。葯は花穂を取り巻くリングのように見えて、目立ちます。
和名は葉の形を、ヘラに見立てたもの。種小名 lanceolata は、披針形の という意味です。
 ヘラオオバコ Plantago lanceolata L.
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