2015.09.
ナンテン   メギ科
南天実 ナンテンジツ ) [ 局外 ] 漢方薬

■ ナンテンは、根元から細い幹が叢生して、高さは2m程度になる常緑低木です。 関東地方以南の暖地で自生していますが、薬用として中国から渡来したものが、野生化したとみられています。 難(ナン)を転(テン)ずるので縁起がよいとして、正月の飾りや庭木に利用されています。

葉は茎頂付近にまとまってつき、3回奇数羽状複葉で、小葉は広披針形、葉身は3〜7cm、全縁で先端は尖ります。葉には多数の小葉があり、大きめの葉では、小葉の数が200を超えます。 5〜6月ごろに、茎頂付近から花茎を伸ばし、大型の円錐花序をつけます。小花は白色で、花弁 6枚、雄しべは 6本あります。果実は初冬にかけて赤く熟し、中には堅い種子が入ります。
■ 果実に含まれるアルカロイド成分には消炎作用があり、鎮咳薬やうがい薬に利用されます。 葉の成分には殺菌効果があり、料理に葉が添えられるのは、先人の知恵を引き継いだ習慣です。 また、白い実のシロミナンテンNandina domestica forma leucocarpa Makinoも、赤い実のナンテンと同様の利用をされます。
和名は、漢名・南天竹の南天の音読みから。属名 Nandina は、ナンテン(南天)から。種小名 domesticus は、国内の、その土地産の という意味です。

植物が赤い色の果実をつけるのは、赤い色を認識できる小鳥たちに、存在をアピールするため。 ナンテンも、被食散布を目的に赤い実をつけますが、同時に少しの有毒な成分も含んでいます。 いつまでも実が残っているのは、小鳥が具合が悪くならない分量だけ、少しづつ食べているためです。長く残っている実は、小鳥たちにとって考えながら利用しなければならない理由があると考えられます。 植物の側からすれば、一度に食べられて狭い範囲にたくさん播かれるよりも、時間をずらしていろいろな環境下に種まきをしてもらう方が、発芽の可能性が高くなります。植物の生存戦略は、巧妙です。
ナンテン Nandina domestica Thunberg
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