2015.08.
ノイバラ  バラ科
営実 エイジツ ) [ 局 ] 漢方薬

■ いばら(茨)とはトゲのある小低木の総称で、ノイバラは野にあるイバラとしての和名です。 日本では、北海道から九州の日当たりの良い河原や野原、林縁などで普通に見られる つる性の落葉低木です。高さは2m程度、葉は互生し、奇数羽状複葉で、葉柄の基部には合着した托葉があります。 小葉は楕円形、表面はほとんど無毛で艶がなく、裏面は有毛、鋸歯があり先尖になります。5月頃、茎頂に円錐花序をつけ、白色から淡紅色の花をたくさん咲かせます。 花径は2cm程度、花弁は5枚、雄しべは多数あります。秋には、楕円形から球形の偽果を多数つけ、赤から暗褐色に熟します。

観賞用としての評価は余りされず、野にあっては、茨ゆえに嫌われる傾向があります。性質が丈夫であるため、他のバラの台木として利用されます。 また、花数が多いことから、掛け合わせて房咲き品種の創出に用いられました。

■ 偽果を乾燥させたものは、生薬名を営実(エイジツ)といい、瀉下剤として製薬原料に配合されます。 また利尿作用があるため、筋肉痛や腎臓病などにも用いられます。
営実の由来は、昔の中国での火星の呼び名で、果実を赤い火星に見立てたとする説、火星ではなく他の星座とする説などがあります。 属名 Rosa は、バラのラテン名で、元々は赤色を示す言葉に由来します。種小名 multiflora は、花の多い の意味。和名については冒頭に記載の通りです。
ノイバラ 野茨 野薔薇 Rosa multiflora Thunb.
■ ノイバラに類似する野ばらには、テリハノイバラ 照葉野茨、照葉野薔薇があります。 日本では、本州以南に分布し、海岸近くから河原、日当たりの良い山野まで見られます。

葉は奇数羽状複葉で互生、小葉は革質で両面とも無毛、表面に光沢があるので、「テリハ」の和名になっています。 ノイバラと比較すると、小葉はより小さく、円形または広卵形と丸みがあり、鋸歯はやや粗くなっています。 花はやや大きく、花数は少なくなります。秋に赤熟する偽果もやや大きく、長さは8mmを超える程度になります。
2種の区別は、小葉の光沢と丸みを帯びた形状、花の大きさを比べることで可能です。種小名 luciae は、人名由来。
テリハノイバラ Rosa luciae
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