2015.08.
シナニッケイ  クスノキ科
桂皮ケイヒ) [ 局 ] / ケイヒ油 [ 局 ]  漢方薬・食品
■ シナニッケイは、中国原産の常緑高木で、ベトナムから中国南部に自生しています。 葉は革質で互生し、葉身は長楕円形から広披針形、長さ25〜30cm、巾10cm程になります。表面は光沢があり、クスノキ科の特徴である三行脈(さんこうみゃく)と呼ばれる、3本の葉脈が目立ちます。 5〜6月に枝先に円錐状の花序をつけ、淡黄緑色の花を咲かせます。花径は10mmほどと小さく、花被片は6枚、雄しべは花被片と対の6本、内側に3本の計9本があります。 果実は楕円体で、翌年の3月ごろに、熟して黒紫色になります。

全体に独特の香りがあり、特に樹皮には強い芳香があります。はぎとった樹皮は、生薬名をケイヒ(桂皮)といい、薬用にします。 漢方では、芳香性健胃薬として、また発汗、解熱、鎮痛などを目的として、風邪薬や強壮薬、婦人薬など多くの処方に配合されています。 中国ではシナニッケイケイ ※1 ) を基原とした生薬に、若い枝を使用するケイシ(桂枝)があり、ケイヒより薬効が穏やかとされます。日本では、この分類はほとんどなく、漢方処方で「桂枝」となっていても桂皮を用いることが多いようです。 他に、樹皮・小枝・葉から水蒸気蒸留で得られる精油を、ケイヒ油 といい、 芳香性健胃薬や食品の香料として利用されます。
和名は中国の肉桂(ニッケイ)として。属名 Cinnamomum は、桂皮のギリシャ名由来。種小名 cassia は、シナニッケイの古名で、皮をはぐ を語源にしているとされます。

※1 ケイの漢字は、「桂」で表しますが、本種はカツラ(桂)とは別種です。
シナニッケイ ケイ )(別名 トンキンニッケイCinnamomum cassia Blume
セイロンニッケイ  クスノキ科
ケイヒ油 [ 局 ]  芳香性健胃薬・食品

■ セイロンニッケイは、インド、スリランカ、マレーシアに分布する常緑高木です。 葉は深緑色で革質、互生あるいは一部対生します。葉身は卵形で長さ15cmほど、若葉は赤く染まって目立ちます。花は枝先につき、形状はシナニッケイと同様です。

ケイヒ油のもうひとつの基原植物 ※2 として、葉や小枝、樹皮を水蒸気蒸留して精油 を採ります。また良質な香料として、シナモンの名称で、食品の香りづけにも使用されます。 シナモンの原料には、数種類が利用されますが、セイロンニッケイは代表的なものとして、高い評価を得ています。
種小名 verumは、正統の、純正の の意味です。

※2 ケイヒ(桂皮)の基原植物は、シナニッケイ のみです。
セイロンニッケイ
Cinnamomum verum J.Presl

ジャワニッケイニッケイ クスノキ科
食品・香料
■ ジャワニッケイは、中国南部からマレーシアに分布する常緑高木です。 葉は革質で互生、葉身は楕円形から長卵形、長さ10cm、巾は4cm程度になります。セイロンニッケイ同様に、新葉が赤く、三行脈が目立ちます。 花は5〜6月、枝先ではなく先端に近い葉腋に花序をつけ、セイロンニッケイよりやや大き目の花を咲かせます。花の形状、花後の果実(液果)については、他の種と同様です。

ケイヒ代用になるともされますが、日本薬局方には未収載であるため、香料シナモンとしての利用になります。 種小名 burmaniiは、人名由来です。
ジャワケイヒ Cinnamomum burmanii Blume
■ ニッケイ  肉桂 は、比較的耐寒性があるため、温暖な地域で植栽されました。 常緑高木で、葉の質は硬く、葉身は長卵形から披針形で、表面は光沢があります。枝先付近の葉腋に花序をつけ、花後の果実は、黒紫色に熟します。

葉をちぎると、ほのかにニッキの香りがします。 ニッキ飴などの「 ニッキ 」は、ニッケイからきたもので、以前は、根皮を日本産のケイヒとして使用しました。 品質は劣るものの、手に入りやすいことから、京都銘菓の八つ橋などに使用され、製品化できない細い根は、駄菓子屋でシバニッキとして売られました。 現在は、品質の良い輸入品が入手できるため、市場価値はなくなっています。植栽管理も放置され、ほとんどは野生化しているとみられます。
種小名 sieboldii は、人名由来。
ニッケイ Cinnamomum sieboldii Meisn.
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