2015.08.
ウンシュウミカン ミカン科
陳皮 チンピ ) [ 局 ] 漢方薬など

■  ウンシュウミカンは、中国から持ち帰ったミカン類から発生した日本原産種で、現在の鹿児島県が原生地と見られています。 関東以南の温暖な地域で栽培される常緑の小高木で、果実は冬季の果物として市場の重要な位置を占めています。

葉は互生し、葉身は楕円形で艶があり、縁にはごく浅い疎らな鋸歯があります。初夏に、花径3cmほどで芳香のある白い5弁の花を咲かせます。 受粉しなくても結実する単為結果 ※1 (たんいけっか、単為結実とも)性で、果実は5 〜7cm程度の扁球形です。 受粉した場合でも種子を生じにくい雌性不稔性であるため、ほとんど種子が入らない果実ができます。初冬に熟して鮮やかな橙黄色になり、多汁質の果肉は甘みと適度な酸味を持ちます。
江戸時代は、種子を子宝と結びつけ、種子のあるキシュウミカンが縁起が良いとして広まっていました。種子のできにくいウンシュウミカンは好まれず、明治以降になって、食べやすさと味から普及しました。 種子のできにくいウンシュウミカンですが、もともとミカン類の実生は、親株とは品質が同一でないことがあるため、普通、接ぎ木による栽培がおこなわれています。

※1 受精しなくても果実を形成する性質で、通常、種子が入らない無核果ができます。例) 生食用のバナナなど

■ 薬用には成熟した果皮を使い、乾燥して、採取後1年経過したものを陳皮といいます。 果皮は精油を含み、芳香性健胃薬として、また発汗や鎮静の薬効があり、風邪や消化不良の漢方処方に用います。果皮は香味料として、七味唐辛子にも使用されています。 家庭では、粗く刻んだ果皮を陰干しにして、布の袋などに入れ、香りが良い入浴剤としても利用できます。

陳皮の基原植物には、Citrus reticulata (タンジェリン 、マンダリンオレンジ ) もなっていて、ウンシュウミカンは、これらの近縁種から生まれたとみられています。 属名 Citrus は、レモンの古名から。温州は、中国の温州のこと。本種との直接のつながりはなく、柑橘類の名産地にあやかって付けられた名前です。種小名 unshiu は、ウンシュウから。 reticulata は、網状の。英名は、Satsuma mandarin 、Mikan など。
ウンシュウミカン Citrus unshiu Markovich / C.reticulata var.unshiu
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