2015.08.
クズ  マメ科
葛根 カッコン ) [ 局 ] 漢方薬

■ クズは、日本各地の日当たりの良い道端や林縁などに自生する大型の藤本 ※1 です。 昔は、太く強いつるでかごを編み、葉を飼料としましたが、こうした形での利用は減ってしまいました。 しかし、根から採れる良質なデンプンは高価なくず粉「本葛(ほんくず)」として、また、つるの繊維を材料として織った「葛布(くずふ、かっぷ)」は、希少な織物として作り続けられています。 秋の七草のひとつに数えられますが、非常に繁殖力が旺盛で、ところによっては害草扱いになっています。

全草に、黄褐色の毛が密生し、葉は互生して長い葉柄があります。小葉3枚からなる複葉で、頂小葉が大きく広卵形で、長さは15cmほどあり、側小葉は左右非対称です。
夏から初秋にかけて、葉腋から総状花序を立ち上げ、芳香のある花をつけます。花は、淡赤紫色の旗弁、翼弁は赤紫色、基部には黄色い斑紋があり目立ちます。 黄色い斑紋は、昆虫に蜜の存在を示す蜜標になっています。花は花序の基部側から順番に咲きあがり、長い期間咲き続けます。

■ 根は繊維質が多く、デンプンを蓄えて肥大します。掘り出した根の外皮を取り除き、乾燥させたものが生薬の葛根で、5mm角程度に刻まれて使用されます。 葛根は葛根湯の主剤とされ、発汗、解熱などの目的で漢方処方に配合されます。
クズ Pueraria lobata Ohwi.
花序をそのまま採取し、乾燥したものを葛花(かっか)といい、煎液は二日酔いに効果があります。 民間療法としては、風邪の引き始めなどに、クズ湯を作り飲用します。とろみがあるので身体を温め、消化が良いので滋養を補います。 近年は、和菓子製造の他に、従来と異なる分野でも、良質な食材として評価され始めています。
和名は、奈良の国栖(くず)で良質の葛粉を産したことから、地名が植物名になったといわれます。属名 Pueraria は、人名由来。種小名 lobata は、浅裂したの意です。

※1 (とうほん)木本のつる性植物のことです。
日差しが強いとき、水分の蒸発を減らすため、小葉を立てて照射量を減らします
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