2015.07.
キンミズヒキ バラ科
龍牙草リュウゲソウ 民間薬
■ キンミズヒキは林縁や草地などの、日当たりの良い場所に自生する多年性草本です。 草丈は50〜100cmになり、全体にやや長い粗毛があります。葉は奇数羽状複葉で互生し、小葉は楕円形、縁には鋸歯があり、小葉のサイズは不揃いに並びます。 葉の基部には大きな托葉がつき、茎の下部の葉は大きく、長い葉柄があります。
茎は直立し、数箇所の葉腋から短い茎を分岐して、7〜9月にそれぞれの茎頂に細長い総状花序をつけます。花は黄色の5弁花で、花径は7〜10mm、ガク片5個、おしべは8〜12前後あって、子房はガク筒に包まれます。

秋にできる果実はさく果で円錐状、ガク筒は宿存して、縁は多数のトゲ状になり先端部は内側に湾曲します。このトゲで、いわゆるひっつき虫になり、衣服や動物の毛について種子を運ばせ、広範囲に散布させます。 種子以外に、地下茎による栄養繁殖も行います。

■ 開花期の全草を粗く刻んで乾燥したものが、民間薬の龍牙草です。タンニンを多く含むので、収斂性の止血、止瀉(下痢止め)、消炎剤として利用しました。

生薬名は漢名からつけられていますが、果実周囲のかぎ状の刺を龍の牙に見立てたとする説、白い芽の姿を龍の牙に例えたという説があります。 和名は、細長い花穂の様子を、金色の水引きに見立てたものです。 属名 Agrimonia は、花に刺の多いことが似ているとして Argemone (アザミゲシ属) ※1 を転用した際、綴りを間違えたとされます。 種小名 pilosa は、軟毛のある、毛で被われた。変種名 japonica は、日本産 の意味です。
キンミズヒキ Agrimonia pilosa Ledebour.var.japonica Nakai


※1 ケシ科アザミゲシ属は、南北アメリカの乾燥地帯を中心に分布します。 その内のひとつ アザミゲシ Argemone mexicana L.は、高さ30〜60cmになるメキシコに生育する1年草です。 6〜8月、黄色の花を開き、花弁は4〜6、雄しべは多数、雌しべは1本あります。葉縁にはアザミに似るた鋭い棘があることから、アザミゲシの名前がついています。
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