2015.06.
イチョウ イチョウ科
銀杏  食用(種子)

■ 街路樹などで普通に見られる イチョウは、ひとつの種(しゅ)だけで綱(こう) ※1 を作る中国原産の裸子植物です。 イチョウの仲間は多くの化石があり、中生代には世界的な規模で広がっていたとみられますが、現存するのはイチョウ1種だけです。 種子植物では ルンフソテツ Cycas rumphii と並び、最も原始的な形態を残しているとされる貴重な存在で、絶滅危惧種になっています。日本へは室町時代の頃に渡来したといわれますが、正確には不明です。

雌雄異株の落葉高木で、長生きの木としても知られ、樹齢・数100年の巨木もあります。大きな木では、しばしば幹や枝から円錐状の突起(気根)が、垂れ下がります。 葉は、葉柄の先に扇形の葉身がつき、 先端部は大きく2つに裂けます。4月、葉の展開する時期に、雄花は穂状花序をつけ花粉を飛ばします。雌花は細長い柄の先に2個の胚珠をつけ、普通1個だけが結実します。 秋、葉が黄色になるころ、雌株には強い臭気がある銀杏(ぎんなん)が熟します。銀杏の硬い種皮の中身は、茶碗蒸しに入れるなど、食用にされています。 ただし 食べ過ぎると中毒を起こすこともあり、特に子供では命にかかわる事態もありえます。大人も10粒程度にとどめた方が良く、また、何日も続けて食べるのは良くないとされています。

■ 一見、銀杏は果実のようですが、果肉様のものは種皮の一番外側の部分で、銀杏は種子にあたります。 この外種皮にはギンコール酸などのアレルギー成分を含有しているので、素手で触ると皮膚炎をおこすことがあります。葉にもこの成分が含まれ、葉をそのままお茶にして飲むと、アレルギー症状を起こす可能性があります。 イチョウ葉にはギンコライドなどの有用成分も含まれ、ドイツなどではエキス化して医療用に利用しています。 エキスの利用では、ドイツはギンコール酸摂取量の上限規定 ※2 を設けています。
なお、イチョウ葉エキスは、薬品の効果に影響を与えることがあります。血液凝固剤やうつ病薬などと併用するのは、好ましくなく注意を要します。
和名は、中国名・鴨脚(イアチァオ、アヒルの足。葉を足に見立てたもの) が訛ったとされています。 属名の Ginkgo (ギンクゴ) はGinkjo (ギンキョー・銀杏)の誤植とみられています。 種小名 biloba は、「2つの裂片」の意味で、葉が2つに裂ける ※3 ことからつけられました。

※1 生物は種を基本として、近縁の種の集まりが属、その上位の階層が順次、科・目・綱になります。
※2 現在はエキス化に際し、ギンコール酸を、ほぼ完全に除去する技術が確立されています。
※3 葉の裂け方は、樹齢差があるとみられます。
イチョウ Ginkgo biloba L.
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