2015.06.
ホザキノイカリソウ / イカリソウ
トキワイカリソウ / キバナイカリソウ
メギ科
淫羊霍 ※1 インヨウカク ) [ 局 ] 薬用酒など
※1 淫羊霍の「霍」の字は、正しくは草冠がつきます。
■ 生薬・淫羊霍は、メギ科イカリソウ属のいくつかの植物を基原としています。 基原植物には、 ホザキノイカリソウ イカリソウ トキワイカリソウキバナイカリソウ などがあります。イカリソウの名前は、花弁が長い距をつくり、四方に突き出す形を船の錨に似ているとしてつけられたものです。

ホザキノイカリソウ 穂咲碇(錨)草は中国原産の多年草で、草丈は30〜40cmになります。 花期は4〜5月、伸びた茎の途中で、花茎が枝分かれをして総状花序をつけ、花柄の先に、1〜3個の小さな花をつけます。 花は下向きに開き、ガク片は白から淡紫色で、黄色の花弁4個には短い距がつき、雄しべは下垂します。
花茎と枝分かれした茎は、3つに分枝し、茎頂に3小葉(3出複葉)をつけます。このことから、別名を三枝九葉草(さんしくようそう)といいます。 小葉は卵形、基部は矢じり型で先尖、2つの側小葉は非対称です。葉縁の鋸歯は、先端部分が柔らかいノギ状になります。
種小名 sagittatum は、矢じり形の の意味。
ホザキノイカリソウ 穂咲碇(錨)草
Epimedium sagittatum Maxim.
■ 淫羊霍の基原植物には、日本にある3種のイカリソウも含まれます。 まずイカリソウ 碇草は、北海道から、本州近畿地方の主に太平洋側の低山などに自生します。 春、まだ他の草が伸びだす前に、明るい林床などで淡紅紫色の花を咲かせます。 草丈は20〜40cm程で、園芸用の草花としても人気があります。
ガク片の内側の4枚が花弁化して残り、同色の花弁は長い距を持ちます。小葉は三枝九葉の形で、側小葉は非対称、縁にはトゲ状の柔らかい毛があります。

属名 Epimedium は、古代の王国 Media に由来する植物名 epimedion から。epimedion が、何の植物かは不明とされます。種小名 grandiflorum は、大きい花の。
イカリソウ Epimedium grandiflorum Morr.
var.thunbergianum Nakai

■ 太平洋側のイカリソウに対して、日本海側にあるのが、 トキワイカリソウ キバナイカリソウ です。

トキワイカリソウ 常葉碇草/常盤碇草は、東北から山陰地方に自生し、 小葉の質は厚く先は尖り、縁にはトゲ状の柔らかい毛があります。 葉は紅葉して冬を越し、春の新葉が出るまで残ることから、常葉/常盤(トキワ)の名前がついています。種小名 sempervirens も、常緑の の意味です。 花弁は白色から赤紫色までありますが、傷んだ越冬葉が残っていることで、キバナイカリソウと区別ができます。

キバナイカリソウ 黄花碇草は、北海道南部から近畿地方に多くあって、クリーム色の花をつけます。 小葉はイカリソウより大きく、葉身は5〜15cmあって先が尖ります。花も大きく、距は2cmほどあります。 種小名 koreanum は、朝鮮の(高麗の)の意味。

■ 生薬名の由来は、葉を食べた雄羊の精力が強くなり、よく繁殖をしたという中国の話からつけられました。 夏に茎葉または地上部を採取して、酒に浸し、強精や神経衰弱からくる不眠の緩和などを目的に服用します。胃腸の弱いときには作用が強いので、服用には注意が必要です。 有効成分は、茎よりも葉の方が多いといわれ、また種によっても含有量が異なるとされています。
イカリソウは、蟻に播種を手伝ってもらいます。 種子には、蟻が好む成分のエライオソーム(種枕)がついていて、蟻はエサとして種子ごと巣に運びます。 種子そのものはエサにならないため、蟻の巣の近くに破棄され、イカリソウは広い場所に種を播くことができるというわけです。
トキワイカリソウ Epimedium sempervirens Nakai / キバナイカリソウ Epimedium koreanum Nakai
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