2015.06.
フクジュソウ  キンポウゲ科
フクジュソウ根  有毒

■  フクジュソウ ※1 は、花の少ない早春に、 新芽とともに黄色の花を開きます。 新年を迎えるおめでたい花として、年末には多くの鉢植えが出回ります。本来は旧暦の正月ころに咲く花ですが、今は、開花調整されたものが店先に並びます。 スプリング・エフェメラル(春植物)のひとつで、人気があり、園芸用に採取されたことから、絶滅危惧の種類もあります。

フクジュソウ 福寿草 Adonis ramosa は、北海道、本州、四国の林床に自生する多年草です。 耐寒性はありますが、暑さや乾燥には弱く、半日陰の少し湿った場所を好みます。早春、艶のある鱗片葉に包まれた芽をだし、短い茎の茎頂に、径3〜4cmの花を開きます。 ガク片は赤紫色を帯びて数枚あり、花弁は黄色で20〜30枚、多数の雄しべと雌しべがあります。
花は夜間や曇天の日は閉じていて、 晴れた昼間に開きます。花弁はパラボラアンテナのように、太陽の熱を中心部に集め、その暖かさで虫を誘います。 茎が伸びだすと、葉の展開が始まります。葉は互生、羽状複葉で小葉は細かく裂けます。果実はそう果で、頭状に集まってつき、球形になります。

■ 根に強心配糖体を含みますが、全草に作用の激しい成分を含むため、生薬としての使用は厳禁です。 新芽をフキノトウ ※2 と間違えて食べ中毒を起こした事例があります。中毒症状は、おう吐、呼吸困難から心臓麻痺を起し、重症になると死に至ることもあります。
属名 Adonis は、ギリシャ神話に出てくる青年の名に由来し、赤い花 ※3 を 青年の血に例えてつけたとされます。 種小名 ramosa は、枝分かれした、枝のあるの意味。 別名 ガンジツソウ 元日草。
※1 北海道教育大学 西川恒彦教授により、フクジュソウは、4種に分類されました。

・キタミフクジュソウ 北見福寿草 Adonis amurensis Regal et Radde 北海道
 茎葉は対生、葉の裏面に軟毛密生。ひとつの茎に花は1個。ガク片は花弁と同じか長い。

・ミチノクフクジュソウ 陸奥福寿草 Adonis multiflora Nishikawa et Koji Ito 本州〜九州
 ガク片の長さは、花弁の半分〜2/3と短い。準絶滅危惧(NT)

・フクジュソウ 福寿草 Adonis ramosa Franch. 北海道、本州、四国
 葉裏に毛はあるが少ない。ガク片は花弁と同じかやや短い。

・シコクフクジュソウ 四国福寿草 Adonis shikokuensis Nishikawa et Koji Ito 四国と九州
 葉の両面と果托が全く無毛。ガク片は花弁と同じかやや短い。絶滅危惧U類(VU)


※2 フキノトウの芽は、ハシリドコロ 参照
※3 ヨーロッパやアフリカ産の Adonis 属は、花弁の赤い種類があります。
 フクジュソウ Adonis ramosa Franch.
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