2015.06.
ハシリドコロ  ナス科
ロートコン [ 局 ] / ロートエキス [ 局 ] 有毒・製薬原料

■ ハシリドコロは、本州から九州に分布する多年草で、湿った半日陰を好み、草丈は50cm前後になります。 早春に芽生え、葉は互生、葉身は長楕円形で先は尖ります。まばらな数個の鋸歯がつくこともあり、質は柔らかく無毛で、艶があります。花期は4〜5月、葉腋に釣鐘状の花をつけます。 花は暗紫色で、内側は紫色を帯びた褐色、開花は下向きです。7月には地上部が枯れて、休眠に入ります。

ハシリドコロの名前は、誤食すると錯乱状態になり、走り回ること、また根茎がトコロに似ていることからつけられました。 全草が有毒で、中毒例もたくさんある植物です。山菜と間違えて食べ、山を3日間さまよい全身キズだらけ保護された事例。 芽吹きの時期のフキノトウと間違えてテンプラにして、夫婦で具合が悪くなった例。重症になると、痙攣・昏睡から死に至ることもあります。 被害にあわないためには、食べられる野草だけでなく、食べてはいけない植物を覚えることも必要といえます。

■ 薬用部位は根茎(ロート根)で、採れる ロートエキス は、鎮痙、鎮痛、消化液の分泌抑制の作用があります。 ロートコンを生薬とし利用することはありませんが、ロートエキスを市販の胃腸薬に配合されることがあります。また、成分のアトロピン は眼科の領域で、スコポラミン は、鎮痙鎮痛薬や麻酔薬の補助として利用されています。 Scopolia は、人名由来です。

※類似生薬 チョウセンアサガオベラドンナ
ハシリドコロ Scopolia japonica Maxim.
このページの先頭へ