2015.06.
ハトムギ  イネ科
ヨクイニン  [ 局 ]
ハトムギ  [ 局外 ]
民間薬、食品など

■ ハトムギ は東南アジア原産の一年草で、ジュズダマの変種です。 以前は、一反歩(約10アール)の畑から、4石(1石=180リットル)採れるとして、四石麦(しこくむぎ)の名前がありました。 「鳩麦」の名前は、鳩が好むので、近代になってから付けられた※1といわれています。

根際で分枝し、草丈は100〜150cm程、葉は細長い被針形(または幅の広い線形)で先尖、基部は茎を抱きます。夏、茎の上部につく穂状花序に、雌雄の分かれた穂状の花をつけます。 鞘状の苞葉(苞葉鞘)が果実の形をして、雌花はその中にあり、苞葉鞘の先端部分から、2本の白い紐状の柱頭をのばします。 雄花は、花軸が苞葉鞘の中を通り抜けて、先に房状につき、黄色い葯が垂れ下がります。花後にできる果実は、苞葉鞘に包まれます。

ハトムギとジュズダマは良く似ていますが、ハトムギは野生化していないことから、フィールドにあるものの多くはジュズダマとみられます。 両種を比較すると、ハトムギは草丈がジュズダマよりやや低く、苞葉鞘は爪で割れる程度に柔らかく、色は灰褐色で細身になるという違いがあります。 苞葉鞘の模様は、ハトムギの細いストライプに対して、ジュズダマは幅広で、しばしばまだら模様になります。

■ ハトムギの種皮を取り除いた種子を ヨクイニン といい、浮腫や脚気に、一部のイボや肌荒れに用いられます。 また、ヨクイニンオイルとして化粧品に使われることもあります。殻のついたハトムギ [局外] も同様の利用をされます。 他に炒ったものをハトムギ茶とするなど、各種食品※2としての利用があります。
属名 Coix はギリシャ語の シュロ 由来。種小名 lacryma-jobi は、ヨブの涙 の意味。花序の印象を、聖書の登場人物の涙にたとえたもの。 変種名の ma-yuen は、中国の武将の名前より。

※1  たくさん採れるという意味で呼ばれた、八斗麦(ハットムギ)がハトムギの語源とする説もあります。一斗=18リットル
※2  子宮収縮作用があるので、妊婦の過剰な経口摂取は禁忌です。
ハトムギ Coix lacryma-jobi L.var.ma-yuen Stapf.

2015.06.
ジュズダマ  イネ科
川穀 センコク / 川穀根 センコクコン
■ ハトムギの母種である ジュズダマ は、高さ1〜2mになる大型の多年性草本です。 熱帯アジア原産で、日本には古い時代に移入されたと見られています。水辺を好み、熟したえい果は、硬い苞葉鞘を持っています。形状は、変種のハトムギに類似(ハトムギ項を参照)します。 当初は食用目的で栽培したものが、稲作の導入以降に放置され、野生化したとする説もあります。

■ ジュズダマの生薬名を、川穀(せんこく)といい、ヨクイニンの代用として使われたことがありました。 また、根を川穀根(せんこくこん) といい、肩こりなどに煎じて飲用したようです。
和名の由来は、仏事で使う数珠玉からきています。硬いえい果には、雄花の花軸の跡が細い穴として残ります。これに糸を通して、ブレスレットなどにするという、小さな女の子たちの遊び道具のひとつでした。
ジュズダマ Coix lacryma-jobi L.
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