2015.05.
カミツレ  キク科
カミツレ  [ 局外 ] 製造原料・民間薬

■ ヨーロッパの代表的な民間薬 カミツレは、ヨーロッパ〜西アジアに分布する2年草です。 草丈は60cmほどで、葉は羽状複葉、深く切れ込んだ小葉は、細い線形になります。花径は1.5cmほどで、黄色の管状花を中心に、周辺を白い舌状花が囲みます。 熟した頭花は、管状花の部分が隆起するという特徴があり、隆起箇所の下部は中空になります。全草に強い芳香があり、西アジアでは古代から頭花を薬用にしていたとみられます。 ヨーロッパでも、発汗や穏やかな鎮静目的、消炎などに使われていました。
ハー ブティーとして飲用すると、不眠やストレスがあるとき、身体を温め神経を落ち着かせるとされます。皮膚や粘膜の消炎作用がある成分を含有し、口内炎などにも良いとされます。 また葉から抽出した精油をアロマテラピーに、花エキスは浴剤や、スキンケアなどの化粧品に使用されています。
カミツレ(カモミール/ジャーマンカミツレ)
Matricaria chamomilla L. syn. Matricaria recutita
■ 栽培は容易で、排水性の良い土壌と陽当たりを好み、9月ころに種を播くと翌年5〜6月ころに開花します。鉢、地植え共に良く育ち、翌年からはこぼれ種でも発芽してきます。
ハーブティーとする場合は、花弁が開いている頭花を採集して乾燥し、湯をそそいで飲用します。鎮静薬との併用や、抗血液凝固薬利用の場合は、薬効が出過ぎるなどリスクが高くなるので、過剰摂取には注意が必要です。 また、 妊娠中の女性、ヨモギなどキク科にアレルギーがある場合も同様です。

カミツレの属名 Matricaria は、婦人病薬として用いられたことから matrix 子宮 という言葉に由来しています。 種小名 chamomilla は、chamai 地面の、背の低い+ melon リンゴの意味で、リンゴに似た芳香を持つことから。 シノニムの種小名 recutita は、成長した頭花の形状から、直線の、真っ直ぐの、上向きのを意味する rectus から付けられています。

ローマカミツレ  ハーブティー

■ カモミールティーには、ジャーマンカミツレ(ジャーマンカモミール)の他にローマカミツレ(ローマンカモミール)も利用されます。 イギリスを中心に栽培される多年草で、草丈は50cm程度になります。 2種は別属に分類されていますが、外見は良く似て、種まきも同時期です。 開花はジャーマンカミツレより 1ケ月ほど遅くなり、また、本種は頭花に中空の部分のできないことが異なります。

■ 苦味があるので、やや飲みにくく、ジャーマンよりも、効能は劣るとされます。 過去には婦人薬とされてきましたが、ローマカミツレは妊娠中の飲用を避けるべきで、ブタクサなどのアレルギーのある人、喘息の人も過剰な摂取に注意が必要です。

属名 Anthemis は、花 anthos からとみられ、種小名 nobilis は、気品のある の意味。 シノニムの属名 Chamaemelum は、chamomilla と同義で、地面に生える背の低い リンゴのような芳香の の意味です。
ローマカミツレ Anthemis nobilis
syn. Chamaemelum nobilis
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