2015.04.
ビンロウ  ヤシ科
檳榔子 ビンロウジ ) [ 局 ] 漢方・製造原料

■  ビンロウ(または、ビンロウジュ)は、樹高20mになる常緑高木で、茎は太く木質化します。 葉は羽状複葉で、枝分かれせず直立した幹の先端部分に、輪生状につきます。花は雌雄異花で、茎頂からやや下がった位置から花茎を伸ばし、基部側に雌花、先端側に雄花という複総状花序をつけます。 果実はゆがんだ卵形で、熟すと深紅になり、それぞれの実には種子が1個づつ入っています。種子の断面は、大理石のような模様になります。

■ 種子は、生薬名を ビンロウジ(檳榔子)といい、アルカロイドのアレコリンなどの成分を含有します。 漢方製剤の女神散などに配合される他、駆虫や眼圧低下作用を利用して緑内症の治療に用いられます。
熱帯アジア地域では、ベテル・チューイングという風習があります。 未熟な種子(ビートル・ナット betel nut、betel は、キンマのこと)を、キンマの葉で包み、少量の石灰と一緒に噛むもので、軽い酩酊作用と爽快感をもたらします。 噛んでいると成分の影響で唾液が赤くなります。唾液は飲み込まずに吐き出すため、都市の美観を損なうとして、罰則が設けられた地域もあります。発がん性も指摘されていて、口腔内の発ガン率が高くなるとされます。 嗜好品として人気がありましたが、愛用者は減少しているとみられます。

和名は賓客を意味するビンロウの中国名から。属名 Areca は、インドの現地名(マレー語とする説もあり)からとされます。種小名 catechu は、ビンロウのマレー語由来(インド名説もあり)とみられています。
ビンロウまたは、ビンロウジュ Areca catechu L.

 キンマは、コショウ科コショウ属の蔓性の常緑多年草で、インドネシアからインドに分布します。 葉は互生、葉身は心形(ハート型)、葉面には艶があります。、葉に対生してつく穂状花序を下垂しますが、花は白色で小さく目立たないものです。

ベテル・チューイング betel chewing で、ビンロウジと一緒にかむことで知られています。 東南アジアでは、葉を薬用にも利用しています。 地域によって用途が多少異なるものの、健胃、去痰、殺菌剤などに、また、頭痛、関節の痛みや歯痛を和らげるのに用います。
和名キンマは、関連するタイ語が訛ったもの。属名 Piper は、コショウの古名から。
キンマ Piper betle L.
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