2015.04.
ベラドンナ  ナス科
ベラドンナ根  [ 局 ] 有毒・製造原料

■ ベラドンナの種小名 belladonna は、「美しい婦人」を意味する、bella (美しい)+ donna (貴婦人に対する敬称)からつけられています。 昔、欧州の女性がベラドンナの果汁を薄めて目に挿し、瞳孔を拡大させて瞳を大きく魅力的に見せようとしたことに由来します。この危険な美容法が、現在では、医療の分野で利用されています。
人(動物)は、興奮すると交感神経によって瞳孔が拡大し、副交感神経によって縮小します。ベラドンナエキスには、ロートエキスと同様に、副交感神経を抑制して 、鎮痛効果や瞳孔を拡大させる作用があります。 眼底検査など、瞳孔を拡大させて行う眼科の診療に繁用されています。

■ ベラドンナは、ヨーロッパから西アジアにかけての湿気のあるやや日陰に自生する多年草です。葉は互生し、葉身は卵形、全縁で先が尖ります。 花期は、初夏から夏にかけて、釣鐘状の花を斜め下向きに開きます。花冠の外面には短毛が密生して白く淡い暗紫色、内側は暗紫色で、先は5裂します。秋には艶やかな黒紫色をした球状の果実をつけます。
全草有毒です。根から得られるアルカロイドの ヒヨスチアミン やスコポラミン の製剤原料として用います。 類似生薬には、チョウセンアサガオ ハシリドコロ などがあります。

和名は英語名 Belladonna をそのまま使用。 属名 Atropa は、ギリシャ神話で寿命の長さを決めた後、生命の糸を切る係りの女神 アトロポス Atropos からつけられています。
ベラドンナ Atropa belladonna L.